アイルランドと北アイルランド(イギリス)は歴史上、紛争が絶えませんでした。また、北アイルランドだけをとってみても、近代史において宗教にかかわる紛争で多くの犠牲者を出してきた土地でもあります。また80年代以降はそれが過激化してロンドンに飛び火するなどの事件もありました。
今回訪れた北アイルランド第二の都市、また「血の日曜日」事件のあったデリー/ロンドンデリーは、どのガイドブックを見ても二つの名前が表記されています。何故だろう??と調べてみると、どうも、「ロンドンデリー」とは、昔、ロンドン市領となったことが由来で使われているそうで、カトリックの信者が使うことが多いそうです。
北アイルランドやアイルランドでは、「ロンドン」が付くことを屈辱的に思い、単に「デリー」といい、プロテスタントが使うことが多いそうです。
どのガイドブックにも「宗教や政治の話はタブーだ」みたいなことが書かれているし、宗教(宗派)によって都市の名前の呼び方も違うだなんて。今回の旅行、個人的には紛争地域に足を踏み入れるような少しだけ複雑な気持ちでした。
どの世界でも領土問題や宗教の確執というのは、常に存在します。日本ほど宗教にも領土にも無関心な人が多い、平和な国は珍しいことも認識しています。私は平和ボケしている日本人です。やっぱり、その「宗教の対立」の感覚がわからないんです。
デリー/ロンドンデリーも全くそんなことを感じさせないのんびりした町でした。
私の記憶にもある位の最近まで、人の命が犠牲になった宗教戦争が絶えなかった北アイルランドには、6000万年前からジャイアンツコーズウェイという奇石があり、毎日大きな波のパワーにも耐えています。ちょっと波に足を取られれば命の危険がある、人間は自然のなかでちっぽけです。そんな紛争時代にも変わることなく存在しています。自然と宗教と人間ってなんなんだろう、、と思ったりもしました。
もう少し、イギリスの歴史を勉強(というか、知識の習得位だけど・・・)しようと思います。スコットランドも、北アイルランドも、略奪、独立、、、の歴史です。それが今United Kingdomですから。