夏のプロバンス記も途中なのですが。記憶が熱いうちにちょっと脱線。
2012年の夏に、リスボンに遊びにいきます!って彼女と約束してから、相当時間がたってしまった。
それも、還暦が近い彼女が乳がんになってしまったから。それだけでもショックなのに、さらに腎臓にも疾患が見つかり、透析開始。
2013年始に突然思い立って、お見舞いがてらちょっとでも会えたらいいな、と思って。「リスボンに遊びに行くから、もし体調大丈夫だったらご飯とか一緒にできたら嬉しいです」ってメールしてしまった私。すぐにお返事。「是非来て。透析してるから簡単にはロンドンに行けないから!」って。
土曜早朝のリスボンへの飛行機。やっぱり来なかった方が良かったのか、迷惑なんじゃないか、なんて、普段なら爆睡する飛行機もなんだか寝つけず。
そんなこと、全くお願いしていないのに、彼女は空港に迎えに来てくれた。
全然変わらず、いつものように満面の笑顔でHugしてくれた。駐車場までのたった100メートルほどの道で、去年の夏にあった出来事、その後のこと、今の体調のこと、20分位かけて丁寧に説明してくれた。外からは、病気してる、って見えないでしょ という彼女。
超、みつで、ハードな(笑)二日間が始まりました。彼女、あまりぎゃんぎゃんおしゃべりする方ではありませんが、潜在的に凄いパワフルな女性なことを、すっかり忘れてました(笑)。
ほほえましい瞬間。仲良しです。
日が昇るのもすっかり遅くなりました。南の方から朝日が昇ってきます。
この木(ポプラかな?よくわかりませんが)の下でいつも腹筋運動や背筋運動をするのですが、バッサリカットされてました。はげちょびん。寒そうでちょっとさみしい。
冬至まであと一か月。一年はあっという間です。
サンレミの町に歩いて戻ってきた私。今日は週に一回のマルシェの日。レ・ボーに行けなくても楽しいことは沢山あります。昨日はひっそりとしていた町も、大変なにぎわいです。野菜、お魚、お肉、雑貨、お洋服、絵、ジュエリー、なんでもありのマルシェです。
ディスプレイの仕方が芸術的!
秋らしい彩りのお花。
いくつ種類があるんだろう、ニンニク。
カゴバッグ!
色とりどりの石鹸。
本当においしそうな不揃いのトマトたち。
写真には撮りませんでしたが、上質のコットンで丁寧に作られたテーブルクロスと、道の隅っこでこじんまりお店を出していた画家さんから小さな水彩画をお買い上げ。どちらも基本的にはマルシェでお店を出しているだけのようです。
テーブルクロスはここのものです。シンプルですがとっても素敵です。こういうこだわりの手作りのものを応援したくなる、ワタシです。
http://www.lin-et-lautre-en-provence.com/
画家さんは空を見ながら「これからミストラルだな」とボソッとおっしゃってました。何のことやらさっぱりわからなかったのですが「そうですか」と適当に相槌。良いも悪いも、この「ミストラル」なるものをこのあとの旅行期間中、ずっと体験することになるのです。
サンレミから直線距離にして10キロほどの村、レ・ボー。「フランスで美しい村」に認定されているし、なんと岩の上に村があるということで、是非足をのばしてみたかったのです。良質のオリーブ油が採れることでも有名なエリアです。
しかし、もうバカンスの季節は終わっていて、バスは週末のみしか運行せず。平日のこの日は、公共の交通手段がない。ならばレンタル自転車!と思いましたが、ホテルのマダムに「やめた方がいいわよ。すごい山の中のアップダウンのある道なので、かなり自転車乗り慣れていないと無理よ」と止められ。「ヒッチハイクで行ったら?」と真顔でおっしゃる。
「では、歩いて、ハイキングがてら行ってみよう!往復20キロならマラソンの半分じゃない!」マダムも「行くのはいいけれど、帰ってこなくてはいけないのよ」って半分呆れ顔でしたが、「ちゃんと携帯持った?水持った?なんかあったら電話するのよ」って送り出してくれたのです。山道なので、往復6時間は覚悟して。
まずは地図を手に入れるためにInformation Centreへ。しかし、ここで渡された地図、ハイキングができるような代物ではない。対応してくれたマダムもえらくいい加減な説明をしてくださり。
「ここまで来たら右に曲がって、しばらく行ったら湖が見えるからそれを左手に見ながら山を越えるの。峠までは2時間位、そこからは30分くらいかしら」って、超適当。しかし「やめた方がいいわよ」とも言わないので、そのままハイキングに突入。40分程歩いて、超いい加減な地図で湖までは難なくたどり着いたのです。
しかし、その先の山越えの道が全く分からない。標識もない。しかもあたり一面、だれもいない(たまーに何故か車が通るのですが)。携帯の電波も入ってない。何かあったら、こりゃー大変だ!と急に怖くなって、あわてて引き返したのであります。怖くなって、不思議な湖の写真を撮ることもせず。。
レ・ボー。なかなか簡単に人間様を近寄らせてくれません。笑